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zoom RSS イノセント15

<<   作成日時 : 2016/12/21 19:10   >>

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2016年12月20日 テアトル新宿
『イノセント15』 (甲斐博和)

2016年 日本 1時間28分 脚本・編集:甲斐博和 撮影:本杉淳悟 音楽:岡田太郎、TEYO 出演:小川紗良、萩原利久、山本剛史、宮地真緒、ほか
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手持ちカメラの長回しでたっぷり沈黙の演技を撮る一方で、大胆な省略でジャンプさせる編集センス。
メリハリ抜群。

劇伴音楽も抑制が効いている。
と思いきや、要所要所でアグレッシヴにノイズ音で攻め立ててくる。

録音と整音の問題か、「粗削り」と言われそうな印象も否めないが、実は緻密な演出で丁寧に出来上がっている作品と思われる。


絶望の淵にかろうじて住む少女は、かすかな希望を少年に託す。
奈落の底に落とされないよう意志を強く持つ成美と、それに応えたくても応え方がわからず自分の足元もぬかるみにはまる銀。

茫然と立ち尽くす荒野には、ロマンスの花は咲かない。
花咲く物語には決してならないところで、無垢な15の者たちのドライでビターで残酷なリアルが、現実として佇立し続ける。

成美が光をたぐり寄せようと淡い期待をかける表情が、なんともいえず儚く切ない。
もどかしい銀の行動と言葉はたよりなくゆらめいて、安易に物語はカタルシスへの収束へと導かない。

大人たちの湿り切った陳腐さの陰で、容赦なく乾ききった砂利道のすき間から、つぼみもつけない雑草が立ち上がろうとしていた。


映画デビュー作にして主演の小川紗良がとてもいい。
その眼力と声には、映画への意志と知性が備わっている。
アップでの難しい表情もこなしている。
映画を見終わってからも存在感がじわじわくる。
これでいっぱしの女優になれなければ、何かがおかしいはずだ。
ちなみに彼女は監督としてもすでに撮っている才女でもある。


「野球でもしに来たの?・・・私、これからセックスするの」


古き良きATGの香りがする。

(ラストのエンディング・タイトルの後の1シーンは何だったんだろう。二人の亡霊? なしで終わった方が良かったかもしれない)

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★★★★

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