たぴおかたぴおの「映画は見たけれど」

アクセスカウンタ

zoom RSS たかが世界の終わり、スノーデン

<<   作成日時 : 2017/02/25 00:23   >>

面白い ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 0

2017年2月13日 ヒューマントラストシネマ有楽町
『たかが世界の終わり』 (グザヴィエ・ドラン)

Juste la fin du monde (It's Only The End of The World)2016年 加・仏 1時間39分 原作:ジャン=リュック・ラガルス 脚本:グザビエ・ドラン 撮影:アンドレ・ターピン 美術:コロンブ・ラビ 音楽:ガブリエル・ヤーレ 出演:ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥー、マリオン・コティヤール、バンサン・カッセル、ナタリー・バイ 
画像

ヒリヒリするほどの繊細さと、それ故に傷心するダメージに苛まれる自身の姿を、マゾヒスティック気味に見せつけつつ、同時にその反動で生じる“生きることの歓喜”に満ちたエロスと高揚感も、スクリーンに煌めかせてきたグザヴィエ・ドラン

しかし今回は、「生きることの歓喜」が全く見られなかった。
逆に「生と愛への切望」だろうか。
苦しく胸が詰まる。

登場人物はほぼ5人。
「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、久しぶりに生家に帰郷する劇作家ルイ。
12年前、ゲイである彼は突然家と家族を捨てた。
とまどいつつ迎える、母、妹、兄とその妻。

ダイニングテーブルでは、5人それぞれが崖の下を見ないように絶壁を摺り足で行くかのごとく、互いの様子を窺いながら会話を会話のかたちにさせていく。
その過程のスリルとサスペンスを、ほとんどすべて顔のアップだけでショットをつなげる。
繊細な表情をすべて逃すまいとするドランならではの大胆さ。

画像

ただ、それだけでは難解だ。
そもそもルイが「もうすぐ死ぬ」と言うのはどういうことなのか、明確にはされない。
肉体が死ぬのか、それも病気か自殺か、はたまた隠喩なのか。

その内実を、家族はどこまで知っているのか。
ルイは家族に打ち明ける機を窺うが、なかなか掴めない。
家族は家族で、触れてはいけないものから避けるように話題を交わしたり、感情を抑えたり暴発させたりする。

それぞれが何に対して怒り、悲しんでいるのか、いったい好きなのか嫌いなのか、愛は溢れているのか、涸れているのか、説明はない。
だが、感じることは十分にできる。

その前提、その内実がどうであれ、彼らの目の前にあり我々に隠された重大テーゼに対し、家族がどう結びつくか、離れるか、こんがらがるか、のミクロコスモスをプレパラートに乗せて、感情の粒子を観察しようとするものだ。
ほんの数時間の、ほんの狭い領分の物語をそのまま切り取って見せる。
切ったら血が出る、スライス・オブ・ライフ。
濃厚で、切実な。

★★★★


2017年2月7日 TOHOシネマズみゆき座
『スノーデン』 (オリバー・ストーン)

Snowden 2016年 米・独・仏 2時間15分 出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、シャイリーン・ウッドリー、ほか
画像

これを見ていちばん印象に残ったのは、バリバリの国家主義者(エドワード)とリベラル(リンジー)が、政治の話でこじれながらも笑ってチューして恋に落ちることができるということ!

それ、日本でできる人いるのかな???

リンジーがすごいのか? アメリカ人がすごいのか? 日本人がダメなのか?

そんなことができたら、ほとんどの悩みが解決してしまいそうな今の僕の周囲の状況なんだけど・・・

二人が付き合いだして、エドがどんどん国家機密に関わり、二人の間にも秘密ができていっても、危険な状況に招き入れたくない、と離れようとしても、結局はエドを信じ続けるリンジー。
いまどきアメリカにも日本にもそうはいない“ひとかどの”女性だなあ。

つまりはこの映画、純愛映画だったのかもしれない。


さて、スノーデンの「したこと」のうちのクライマックスについては、ドキュメンタリー『シチズン・フォー』を見た方が、機密情報の暴露と逃走の、生の現場を目撃できる。
スノーデンと結束して実行援助したジャーナリスト有志による迫真のドキュメントだ。

今回のドラマは、スノーデンの米軍特殊部隊にいたときから、NSAに入るところやCIAで働いた彼の能力・経歴を縦糸に、国家機密任務のあっけにとられる内容とそれに対して疑問を抱き反発していく彼の心情を横糸にしている。

人間ドラマは置いておいて、アメリカの牛耳る“新世界秩序”のために、どれだけの呆気にとられる諜報活動を世界に向けてやっているのか、を知ることがこの作品の核心だろう。

遠隔操作でハワイから、アフガニスタンの相手のGPS携帯をセンサーで見つけしだいドローン爆撃するというシステム。
「テロリスト」に対してではなく、「ケータイ」ですよ。そこに誰がいようと何人いようと関係なく。
少し前に公開された『アイ・イン・ザ・スカイ』ではまさしくそれが取り上げられた。

この戦争を認めたのはオバマ政権。
現在オバマが惜しまれているが、トランプより相対的にマシだったから株が上がっただけだからね。

アメリカは日本の主要なインフラの内部にハッキングすることができ、「日本がアメリカの同盟から離脱することがあれば、すぐにでも日本の国家機能がマヒさせられる」という。
つまりアメリカにとっての日本はジャイアンにとってのスネオでもあるが、常に銃口を背中に突きつけられている人質奴隷でもあるわけだ。

新しい「戦争」とはこういうものであって、もはや爆撃も武器も必要ない。
領土やエネルギ―のために武力で攻め入るなんて、ましてや中国が尖閣に攻め込むなんて、荒唐無稽なアジテーションだと気付いた方がいい。

画像

ところで、自分のパソコンのカメラにテープで目隠ししてありますか?
僕は去年の夏に買い替えたときからテープを貼ってるけど、原発製造メーカーを避けることばかり考えてPCを選んだら、最終的にDELLを買ってしまった。
DELLはヤバイ、とあとから気がついた。
まあ僕なんか監視されるようなタマじゃないけど、ヤツラの個人情報収集は不特定多数で可能。
でも日本人の中でも「自由より安全を優先」とか言って、監視社会に迎合する人が増えているようだ。
今国会で紛糾中の「共謀罪テロ等準備罪」の世論調査での支持率46%だの66%だのと言われている。
冗談じゃない!
誰のための監視だと思ってるんでしょうか。
あなたのためじゃない、国のため、アメリカのためですよ。
とんでもない誤解!
その辺あまりご存知ない方には、この作品を見ることを強く勧めます。

★★★☆

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
面白い
ナイス

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「たかが世界の終わり」
グザヴィエ・ドラン監督作品。個性的な作品を発表し続けている。あまりにもその個性が際立っているため、近頃ではちょっとした作品も「フツー」に感じてしまう程だ。12年ぶりに帰った故郷。目的は、ただ、自分の人生が終わることを告げる為。家族に。長いこと会わないでいた家族に。都会で成功している人気作家のルイ(ギャスパー・ウリエル)の12年ぶりの帰郷に、家族は沸き立つ気持ちを抑えきれずに必要以上にそわそわしていた。車で迎えに行くと言っていたのにタクシーなんかで帰って来ちゃって!家族は母(ナタリー・バイ)と兄ア... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2017/03/14 19:52

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
たかが世界の終わり、スノーデン たぴおかたぴおの「映画は見たけれど」/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる